「男性のプライド」についての文香的考察

男性はプライドの生き物である、という言葉はよく聞くし、私もそれは真理だと思います。

実際、夜の仕事において男性のプライドの扱い方はとても注意が必要で、大いに尊重すべきポイントです。

賢い女性は、その操縦が上手い。

そして賢い男性は、その御し方が上手い。

「プライドが高い」のようにネガティブに表現されることが多いけれど、「誇り」や「自信」はあるに越したことがない、と私は思います。

ふつう、そこには「経験」や「実績」といった根拠があり、その過程には「努力」があるからです。

でもまれに根拠のないプライドだけが一人歩きしている人がいて、見ているだけで恥ずかしくなってしまう…。

プロなので相手がお客さまなら持ち上げたりフォローしたりもするけれど、できないところまで落ちてしまう人もいて、いたたまれなくなってしまいます。

ところで、美人揃いと言われるうちのお店(同性の目から見てもそう思う)ですが、中でもキヨちゃんは一番の美女です。

とにかく顔の造作に非の打ち所がなく、彼女より美しい女性は芸能界でも見当たりません。

さらに口数が少なくミステリアスな雰囲気を漂わせているので、彼女に狂う男性が少なからずいます。

そんなキヨちゃん、実はシングルマザーで子どもを預けて働いており、そのことを隠してもいません。

むしろ子持ちであることが、お客さまには健気な魅力に映っているようです。

「オレこそが再婚相手に!」と鼻息の荒いお客さまもちらほら…。

そんな中でもSさんはとりわけ熱心で、しょっちゅうキヨちゃんと同伴していました。

彼女も、最初はかなりありがたかったはず。

同伴はたとえお店のお客さんでも、その日の売上は女の子に付けてくれるのがうちのお店のシステムだからです(Sさんも元々お店のお客さん)。

でもお客さまの熱が上がり過ぎると、色々な意味で心配になってきます。

キヨちゃんがSさんに全く気がないのは明らかですが、Sさんの本気度は増すばかり。

Sさんの感情の行きつく先もそうですが、もっと心配なのは売り掛けが溜まる一方だったことです。

キヨちゃんに会えないことがよほど耐えられないとみて、尋常じゃない頻度で同伴するんです。

Sさんとて安月給ではありませんが、やはり「通いすぎ」というラインはあります。

毎日クラブに通えるサラリーマンはそういませんよね。

しばしばキヨちゃんとママは深刻な顔で話し合っていましたが、やがてSさんは高額な売り掛けを残したまま出禁になってしまいました。

この結果最大の原因は、Sさんのプライドの高さにあります。

とにかく格好つけたがる。

女の子が複数つくときには、みんな水割りを頂こうとしても

「君たちにスコッチは美味しくないでしょ?カクテルでも飲みなよ。」

と言って譲らない。

キヨちゃんに他のお客さまとの同伴がない時は

「毎日でもオレに頼りなよ。」

“格好いいオレ”を崩さないことに執着した結果が、最悪の結末になったのです。

お目当てのキヨちゃんにこそ売り掛けが真っ先にばれているのに、格好よくない事態が起こっていることを直視しない…。

格好つけようとしてどんどん格好悪くなっていくのは、無駄なプライドに執着する男性の特徴かもしれません。

「虚飾」の二文字が鮮やかに浮かび上がってきます。

無駄なプライドは自滅を招くばかりですね。

私は個人的に、男性には誇り高くあって欲しい。

自分に自信のある人が好きだし、尊敬できます。

でもあくまで、根拠に基づく誇りや自信です。

飾りたてた嘘の自分にちまっと載せたプライドなど、見破れない人はまずいないし、良い仕事をしてくれません。

勇敢さや客観性や誠実さが伴ってはじめてプライドは美点になるのだとつくづく思いました。

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